6月は年中行事と食文化が密接に結びついた月でもあります。日照時間が1年で最も長くなる2026年の夏至は6月21日(日)。この日を境に本格的な夏へと突入するため、日本各地には農作業の節目として独自の行事食を食べる風習が残されています。
近畿地方では「田植えを終えた稲がタコの足のように大地へ深く根を張るように」と祈りを込めてタコを食す習慣が定着しています。タコには疲労回復アミノ酸であるタウリンが豊富に含まれており、重労働直後の農民の体力を補うという極めて合理的な狙いがありました。また、関西の一部では半夏生にかけて小麦餅(半夏生餅)を供え、尾張地方ではイチジク田楽、香川県では収穫したばかりのうどんを打って食べるなど、地域の風土に根ざした食文化が息づいています。
そして月末の6月30日には、前述の「夏越の祓」に合わせた「水無月」とともに、近年では全国の神社周辺や和食店で「夏越ごはん」を食べる新たな習慣も広がっています。雑穀米の上に、茅の輪(ちのわ)をイメージした丸い夏野菜のかき揚げを乗せたメニューであり、伝統行事を現代の食卓へ落とし込む優れた試みとして注目されています。