SNSなどで「地震雲」として写真が拡散されやすい雲には、いくつかの典型的なパターンが存在します。これらは一見すると不気味に見えますが、すべて気象学的に発生プロセスが解明されている自然現象です。
① 肋骨状雲(ろっこつじょううん)
魚の骨や肋骨のように、細長い雲の筋が等間隔で平行に並ぶ形状を指します。ネット上では「大地震の前触れ」として頻繁に挙げられますが、気象学的な正体は「波状雲(はじょううん)」です。上空の風速や風向が異なる空気層の境界面に波が生じることで発生し、天気が下り坂に向かう際によく見られます。
② 断層状雲(だんそうじょううん)
空をナイフでスパッと切り裂いたように、濃い雲と青空の境界線が直線状にくっきりと分かれている雲です。「断層のズレを暗示している」と不安視されがちですが、これは温暖前線や寒冷前線に伴う雲の端、あるいは異なる湿度を持った空気塊がぶつかり合っている境界線を見ているに過ぎません。
③ 放射状雲(ほうしゃじょううん)
地平線や山際の一点から放射状に幾筋もの雲が広がっているように見えるタイプです。「震源地からエネルギーが噴き出している」と噂されますが、実際には平行に並んだ巻雲(けんうん)や高積雲が、遠近法(パースペクティブ効果)によって1点から伸びているように見えているだけの現象です。