洗練されたハイブランドや上質なレストランが並ぶ東京ミッドタウン日比谷において、3階フロアの一角に広がる「HIBIYA CENTRAL MARKET」は独特のカルチャー感を放っています。この複合型ショップのプロデュースを手掛けたのは、クリエイティブディレクターの南貴之氏。昭和の路地裏や市場のようなノスタルジーを、現代のミニマリズムと編集センスで再構築したこの空間において、食の中核を担っているのが日比谷 ネオ居酒屋 一角です。
一角が単なる「レトロ風の飲食店」と一線を画している理由は、空間とメニューの絶妙なバランスにあります。暖簾をくぐると広がるのは、どこか懐かしい木製カウンターやテーブル席でありながら、無駄を削ぎ落としたスタイリッシュな照明と開放感。ビジネスパーソンが一人で定食を食べる日常の風景と、休日に劇場鑑賞を終えた観客が乾杯する非日常の空気感が、破綻することなく一つのフロアに溶け合っています。
商業施設のレストランフロアにありがちな「敷居の高さ」や「画一的なチェーン感」を排除し、誰もがふらりと立ち寄れる大衆酒場の気軽さを一等地で実現したことこそが、感度の高い層から日常使いのオフィスワーカーまで幅広く支持される最大の要因です。