ぶどう栽培において収量と品質を決定づける最重要作業が剪定です。適切な手入れを怠ると、枝が混み合って内部の日当たりや風通しが悪化し、病害虫の温床となるばかりか、翌年の花芽がつかなくなります。
年間作業のなかで最も重要なぶどうの木 剪定時期は、樹木が完全に葉を落として休眠状態に入る12月下旬から2月中旬です。春先(3月以降)に剪定を行うと、樹液の流動が始まっているため切り口から樹液が止まらなくなる「樹液漏出」を起こし、樹勢を著しく消耗させてしまいます。
剪定方法には主に以下の2つのアプローチが存在します。
- 短梢剪定(たんしょうせんてい):前年に伸びた枝の基部から1〜2芽を残して切り戻す方法。初心者でも判断に迷いにくく、シャインマスカットや巨峰などの大房品種に適した管理法です。
- 長梢剪定(ちょうしょうせんてい):基部から5〜8芽ほど残して長く剪定する方法。樹勢の強い欧州系品種などで用いられますが、家庭の鉢植え栽培では樹形が広がりすぎるため短梢剪定が推奨されます。
また、厳冬期におけるぶどうの木 冬越し管理も忘れてはならないステップです。ぶどうは耐寒性の高い果樹ですが、鉢植えの場合は寒風によって鉢土ごと凍結し、細根がダメージを受けるリスクがあります。寒冷地や氷点下の日が続く地域では、鉢の周囲に麻布やプチプチ(気泡緩衝材)を巻き、土の表面にバークチップや敷き藁を敷いてマルチングを施すのが有効です。休眠期であっても土が完全にカラカラに乾いてしまうと根が枯死するため、晴天の午前中に月2〜3回程度の控えめな水やりを継続します。
健全な生育を支えるぶどうの木 肥料のやり方は、年3回のタイミングが基本です。 まず12月〜1月に春の芽吹きに向けた「元肥(寒肥)」として、油かすや骨粉などの緩効性有機肥料を施します。次に5月下旬〜6月の開花結実期に「追肥」として速効性の化成肥料を少量与え、最後に収穫後の9月下旬〜10月に消耗した樹力を回復させる「お礼肥」を施します。窒素成分が多すぎると葉ばかりが生い茂る「つるボケ」を引き起こすため、リン酸とカリウムが多めに配合された肥料を選ぶのがポイントです。