なぜ「49日」でなければならないのか。その決定的な理由は、冥界に君臨する10人の裁判官「十王(じゅうおう)」による7日ごとの厳格な審判システムにあります。魂は7日ごとに異なる裁判官の法廷に引き出され、現世での罪状を調べられます。
特に広く知られているのが、五七日(35日目)に登場する閻魔大王(えんまだいおう)です。閻魔大王の前には「浄玻璃の鏡(じょうはりのあがみ)」と呼ばれる特殊な鏡が置かれており、生前に行った善行や悪行、心の中で抱いた隠し事のすべてが生々しく映し出されます。いかなる言い逃れも通用しません。
そして七七日(49日目)に控える泰山王(たいざんおう)の法廷で、これまでのすべての取り調べを総合した「最終判決」が下されます。魂の行き先である「六道(地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人間道・天上道)」のいずれか、あるいは仏の導きによる「極楽浄土」への転生がここで確定するのです。この最終審判を終えて初めて魂が新たな世界へと旅立つため、四十九日をもって成仏する(忌明けとなる)と定義されています。