松本山雅FCを語る上で絶対に外せないのが、北信のライバル・AC長野パルセイロとの間で行われる「信州ダービー」です。国内の地域ダービーの中でも、これほど激しいライバル意識と郷土の誇りがぶつかり合うカードは他に類を見ません。
信州ダービーの対戦経緯は、北信越フットボールリーグ時代から四半世紀以上にわたり続いています。「松本平の商業都市」と「善光寺のお膝元である県庁所在地・長野」という地域間の歴史的対抗意識がピッチ上に投影され、2010年代のJFL、そして近年のJ3での激突に至るまで、数々の名勝負と因縁を生み出してきました。通算対戦成績を見ても互角に近い数字が並び、どちらが優勢のシーズンであってもダービーだけは順位表の数字が一切関係ない「別の生き物」へと化します。
スタジアム全体を緑とオレンジのフラッグが埋め尽くし、キックオフ前から地鳴りのようなチャントがこだまする異様な熱気は、一度体感すると忘れられない強烈なインパクトを放ちます。試合後にはネット掲示板やSNS上で判定やサポーターの応援合戦を巡る論争がトレンド入りを果たすなど、長野県全体のスポーツ文化を牽引する巨大な社会現象となっています。