ネット検索やSNS上で根強く囁かれる「ナッツアレルギー=一生治らない」という言説。この噂が広まった背景には、鶏卵や牛乳のアレルギーが就学前までに約80〜90%が自然治癒するのに対し、ナッツ類は耐性獲得率が低いという臨床上の特徴が極端に誇張された経緯があります。
日本小児アレルギー学会などの調査報告および国際的なコホート研究によると、乳幼児期に発症したピーナッツアレルギーの耐性獲得率は約20%、クルミやカシューナッツなどの木の実類アレルギーでも約9〜14%が自然寛解することが確認されています。つまり、「5人に1人前後は成長に伴って治る可能性がある」というのが医学的なファクトです。
一方で、ナッツ類は微量でもアナフィラキシーショックを引き起こすリスクが高く、他のアレルゲンよりも重篤化しやすい特性があります。そのため医療現場では慎重な完全除去指導が行われるケースが多く、それが「治らない」という印象を強固にしてきた側面があります。