診療看護師への関心で最も多いのが「どこまでの医療行為ができるのか」という権限の範囲です。日本の現行法(保健師助産師看護師法・医師法)上、診療看護師であっても完全な独断で医療行為を行うことは認められておらず、医師の包括的指示(手順書)に基づいて実践します。
現場において診療看護師ができることは多岐にわたります。動脈採血や中心静脈カテーテルの挿入・抜去、胸腔・腹腔ドレーンの抜去、気管送管チューブの抜管といった高度な「特定行為」21区分38行為をスムーズに実践できるほか、問診やフィジカルアセスメントを通じた初期診断の推論、検査オーダーの起案など、従来の看護師業務の枠を大きく越えた医療処置を担当します。
気になる診療看護師の処方権については、医師法第20条の規定により、単独で処方箋を発行する法的な権限は保有していません。ただし、あらかじめ医師と合意形成されたプロトコール(手順書)の枠組み内であれば、患者の検査値や症状変化に応じて「解熱鎮痛薬の追加」「インスリン投与量の調整」「抗生剤の変更提案」などをスピーディーに実施できます。実質的な投薬マネジメントを現場で完結させられるため、治療の遅れを防ぐ決定打となっています。