漱石『吾輩は猫である』初版本の価値と相場|本物と復刻版の見分け方

漱石『吾輩は猫である』初版本の価値と相場|本物と復刻版の見分け方

漱石『吾輩は猫である』初版本の価値と相場|本物と復刻版の見分け方を徹底追究! 知っておきたい 情報と解説を凝縮して配信します。

インターネット上の古書情報でしばしば見られる誤解が、「大倉書店単独の名前が入っている本が初版である」という言説です。これは歴史的事実と異なります。

『吾輩は猫である』の上巻が出版された当時、新進作家であった夏目漱石の本がどれほど売れるか未知数であったため、リスク分散として名門の大倉書店(大倉保五郎)と服部書店(服部久治郎)が合同で出資し、共同出版を行いました。したがって、初版の正規本には必ず「大倉書店」「服部書店」の両名が連名で記載されています。

その後、爆発的な大ベストセラーとなった中巻・下巻の刊行を経て、後年の再版・重版時には大倉書店単独での発行へと移行していきました。つまり、「大倉書店の名前しかない明治本」は、初版ではなく後年に刷られた重版(再版以降)である可能性が極めて高いのです。吾輩は猫である 初版 状態 鑑定を行う専門家は、まずこの出版元表記の連名有無を厳格にチェックします。

山田 真由
著者

山田 真由

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