インターネット上や部活動の現場では、シャトルランに関して根拠の乏しい誤解が数多く流布しています。間違った常識を鵜呑みにして対策を講じると、本番で大幅に記録を落とすことになりかねません。
代表的な誤解が、「長距離走の練習として5キロや10キロのロードワークを重ねればシャトルランも強くなる」という説です。長距離走で培われる全身持久力はもちろん基礎にはなりますが、シャトルランは「20メートルごとの減速と再加速」が伴う間欠的高強度運動(アジリティ・インターバル)です。一定ペースで走り続けるロードランニングだけでは、急激な切り返しに必要な腱の弾性エネルギーや、短時間で筋出力を発揮する神経伝達系が一切鍛えられません。
また、「体育館用シューズのグリップ力は高ければ高いほど良い」という思い込みも危険です。体育館の床に対して過剰に引っかかるシューズを履いていると、ターン時に足首や膝関節へダイレクトに捻れ応力がかかり、関節を痛めるだけでなく急ブレーキによるブレーキロスが増大します。適度にスライドしながら遠心力を逃がせるシューズを選び、過度な引っかかりを作らないことが、後半まで脚を持たせる隠れた裏ワザです。