元は恐怖の言葉?「すごい」の本来の意味と語源・敬語言い換え術

元は恐怖の言葉?「すごい」の本来の意味と語源・敬語言い換え術

元は恐怖の言葉?「すごい」の本来の意味と語源・敬語言い換え術について知っておくべき 理由を分かりやすい構成で解説いたします。

今日では「素晴らしい」「卓越している」といった最大級の褒め言葉として定着している「すごい」ですが、すごい本来の意味は全くの別物でした。原点にあるのは「背筋が凍るような恐怖」や「不気味さ」です。

歴史を平安時代まで遡ると、すごい語源は形容詞の古語「すごし(凄し・凄じ)」に行き当たります。当時のすごい古語での意味を古典文学で確認すると、『源氏物語』や『枕草子』において「ぞっとするほど気味が悪い」「荒涼としていて物寂しい」「冷え冷えとして恐ろしい」といった、心理的・肉体的な冷気と恐怖を描写する言葉として機能していました。

なぜすごい恐ろしい理由と結びついていたのか、その鍵は漢字の構造にあります。凄い漢字の成り立ちを紐解くと、「凄」という字は「冫(にすい=氷・冷気)」と「妻(細かく引き締まる、身をすぼめる)」が組み合わさった会意兼形声文字です。つまり、極度の寒さや恐怖によって全身に鳥肌が立ち、身が縮み上がる状態を原義としています。

この言葉が辿ったすごい意味の変遷歴史は、日本語における意味変化のダイナミズムを象徴しています。江戸時代から明治・大正期にかけて、「ぞっとするほど恐ろしい」という意味合いが「常軌を逸している」「桁外れである」という度合いの強烈さを表す用法へとシフトしていきました。そして昭和中期以降、並外れた能力や成果に対する純粋な称賛表現へと転換を遂げたのです。

井上 凛
著者

井上 凛

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。