世の中に流通しているネジの99%以上は、「右に回すと締まり、左に回すと緩む」という構造で作られています。ここでの「右・左」とは、ネジを正面から見た際の時計の針の動きを指しており、時計回りが締める方向、反時計回りが緩める方向です。
直感的なネジ締める方向覚え方として古くから親しまれているのが、ひらがなの「の」の字を書くイメージです。筆順に沿って円を描く方向(時計回り)が締め付けであり、その逆を描く動作が緩める動きになります。ペットボトルのキャップや水道の蛇口を閉めるときの手首の動きと同じだと考えれば、身体感覚として思い出しやすいはずです。
より確実かつ論理的に判断したい場合は、物理学で用いられる右ねじの法則を活用するのが最適です。右手で親指を立てて軽く握り拳を作ったとき、親指が「ネジが進む方向(締め込みたい奥の方向、あるいは引き抜きたい手前の方向)」を指し、残りの4本の指が曲がっている向きが「回転させるべき方向」を示します。壁の裏側や机の下など、ネジ頭を正面から直視できない死角の作業でも、右手親指を進めたい方向に向けるだけで回す方向を一瞬で割り出すことが可能です。
現場の初心者にありがちな錯覚として、「ネジを緩める方向が時計回り」に見えてしまうケースがあります。これはネジの円周全体の回転ではなく、「ネジの下側の動く向き」だけを目で追ってしまい、左から右へ動いていると誤認することから生じます。回転方向を判断する際は、必ずネジの頂点(12時の位置)がどちらに移動しているかに視点を固定するのが鉄則です。