魚の恩恵は良質な脂質だけにとどまりません。魚類が豊富に蓄えている天然のビタミンDもまた、極めて強力な抗がん作用を発揮します。
ビタミンDは単なる骨の栄養素ではなく、全身の細胞の遺伝子発現をコントロールするホルモン様物質として機能します。がん細胞の異常な無制限分裂にブレーキをかけ、正常な細胞分化を促す司令塔の役割を果たしているのです。
国立がん研究センターが実施した多目的コホート研究(JPHC研究)をはじめとする国内外の疫学調査では、血中ビタミンD濃度が最も高いグループは、最も低いグループに比べて全がん死亡率が顕著に低いというデータが示されています。特に大腸がんや肝臓がん、乳がんにおいてその関連性が強く示唆されており、魚を食べる習慣は体内のビタミンDレベルを安全かつ効率的に維持する最適な手段です。