インターネット上の旅行ブログや口コミには、善意による情報発信であっても、現在の運行実態と乖離した「危険な誤解」が散見されます。旅の破綻を防ぐために、以下の3つの盲点を正しく認識しておく必要があります。
誤解1:「箱根登山バス時刻表通りに旅程を組めば安心」という過信
山間部を走る路線バスにおいて、箱根登山バス時刻表は「出発の目安」であって「到着の保証」ではありません。特に休日の午後、芦ノ湖から湯本駅へ向かう上り線は、宮ノ下交差点や湯本駅前を先頭にした渋滞により、所要時間が平時の35分から最大90分〜120分にまで膨張することが日常茶飯事です。帰りの新幹線やロマンスカーをギリギリの時間で指定席予約していると、乗り遅れのリスクが極めて高くなります。
誤解2:「路線図上で近く見えるバス停は徒歩移動できる」という錯覚
箱根登山バス路線図は平面的に描かれていますが、実際の箱根は高低差が数百メートルに及ぶ峻険なカルデラ地形です。地図上ではわずか1km程度に見える隣の停留所であっても、実際には歩道のない急勾配の坂道や街灯のない山道が続くケースが多々あります。安易に「1区間だから歩こう」と判断すると、思わぬ体力的疲弊や事故に繋がりかねません。
誤解3:「急行バスは各駅停車より圧倒的に速い」という思い込み
箱根新道を経由する直通急行(B路線やR路線など)は、一般道での停車停留所が少ないため魅力的に見えます。しかし、箱根新道のインターチェンジ出口で渋滞が発生した場合、逃げ道のない自動車専用道路上で完全に閉じ込められるリスクを孕んでいます。定時性を最優先する場合は、多少の乗り換えを伴ってでも強羅駅乗り換えで箱根登山電車(定時運行率の高い鉄道)を組み合わせるエスケープルートを確保しておくのが鉄則です。