ネット上の攻略情報やファンコミュニティで頻繁に語られる言説の中に、「常滑は海水だから体重の重い選手でも有利」「とにかく外枠は切っていい」というものがあります。しかし、これは現代のボートレースにおいては明確な誤解です。
確かに淡水場(多摩川やびわこなど)と比較すれば海水は浮力が働きますが、前述の通り常滑は閉鎖されたプール水面です。塩分濃度の高さは水圧の重さ(粘性)にも直結しており、ターン時に艇を押し出すパワーが要求されます。そのため、旋回技術が未熟な若手選手や機力劣勢の艇は、外から握ってもターンが膨らみ、内側の艇に弾き飛ばされてしまいます。
また、「風が吹けば問答無用で6コースの大外まくりが決まる」という思い込みも危険です。常滑の1マークからスタンドまでの幅は広く設計されているものの、強風時の第1ターンマークは強烈な引き波の墓場と化します。大外6コースが届くケースは極めて稀で、波乱の主役となるのは実質的に2コースの鋭い差しや3・4コースの自在攻めです。ネット上の断片的な噂を鵜呑みにせず、実際の進入コースと風向きの物理的関係を正しく捉える姿勢が不可欠です。