なぜ事実として10mm角を維持しているにもかかわらず、「細くなった」という感覚的な誤解が現在も拡散し続けるのでしょうか。そこには3つの構造的な要因が存在します。
1. 心理学における「記憶の美化」とテクスチャー認知のズレ
人間の味覚やサイズに関する記憶は、時間の経過とともに極端な特徴のみが誇張されて保存される傾向があります。過去の皮付きポテトが持っていた「最も太かった部分」の記憶が脳内で美化・拡大された結果、現在の均整の取れたストレートポテトを見た際に「目減りした」「細くなった」と脳が認知のギャップを生み出してしまうのです。
2. 農産物特有の「自然なサイズ変動」と端境期
ポテトの原料であるじゃがいもは、工業製品ではなく天然の農産物です。北米からの輸送コンディションや、収穫時期の切り替わり(端境期)によって、じゃがいも自体の大きさや長さにはどうしても個体差が生じます。たまたま短いロットや端の部分が多く入っていたトレーに遭遇した利用者が「モスのポテトが細小化した」とSNSに投稿し、それが拡散されるケースも少なくありません。
3. 「オニポテ」のビジュアルによる印象形成
モスの人気セット「オニポテ(オニオンフライ&フレンチフライポテト)」は、円形に大きく広がるオニオンフライが主役として鎮座しています。その脇に添えられたポテトは視覚的な対比効果によって、ポテト単体のパッケージで見るよりも華奢に見えがちです。この視覚的錯覚も、細身になったというイメージを後押しする盲点となっています。