ウェブ上の旅行記事やSNS情報には、時に実態と乖離した誇張が見受けられます。現地を訪れて後悔しないために、初心者が陥りがちな3つの誤解を正しておきましょう。
誤解1:「八ヶ岳温泉」という名前の巨大な温泉街がある?
草津温泉の湯畑や渋温泉の石畳のような「下駄履きで歩ける統一された温泉街」を八ヶ岳に期待するのは禁物です。「八ヶ岳温泉」とは、八ヶ岳連峰の広大な裾野に広がる独立した源泉群の総称にすぎません。小淵沢、清里、甲斐大泉、原村、蓼科など、それぞれの拠点は数キロから数十キロ離れており、巡回には自家用車やレンタカーの利用が原則必須となります。
誤解2:「どの露天風呂からも富士山が見える」わけではない
「八ヶ岳の絶景露天=富士山」というイメージが定着していますが、山梨県側の南麓であっても、周囲の尾根や林の配置によって富士山が見える施設は限られます。長野県側の蓼科や茅野エリアからは地理的配置上、富士山ではなく八ヶ岳連峰そのものや南アルプス、中央アルプスの眺望が主役になります。「どの山を眺めたいか」によって目的地を厳密に選ぶ必要があります。
誤解3:「すべての施設が源泉かけ流し」というわけではない
八ヶ岳山麓は高地であるため、外気による放熱を防ぎ適温を維持するために加温を行っている施設が少なくありません。また、貴重な水資源と温泉資源を保護するため、循環ろ過装置と塩素消毒を適切に併用している施設も多数存在します。「完全な源泉かけ流し」にこだわるのであれば、奥蓼科の歴史ある秘湯宿や、湯量を豊富に誇る特定の施設を事前にリサーチして選定することが肝要です。