検索空間において定期的に浮上する「三島由紀夫の遺体カラー写真」というトピックですが、結論から言えば、公的に出版・報道されたオリジナル写真のほぼすべてはモノクロ(白黒)写真です。1970年当時の新聞・週刊誌印刷の技術水準や報道倫理の観点から、現場検証直後に撮影されたプレス写真はモノクロフィルムによるものが大半でした。
では、なぜ「カラー写真が存在する」と信じられているのでしょうか。その背景には主に3つの要因が存在します。
第一に、警視庁鑑識課が現場記録用に撮影したオフィシャルなカラー陽画(スライドフィルム)の存在です。これらは極秘扱いの捜査資料として厳重に保管されており、公式に一般公開された事実はありません。しかし、関係者ルートからの流出を巡る憶測が長年語り継がれてきました。
第二に、近年のデジタル技術やAIによる高精細カラー化処理の影響です。かつて写真週刊誌や海外タブロイド紙に掲載されたモノクロの現場写真・首写真が、海外掲示板やSNS上でAI着色され、あたかも「当時のカラー流出写真」であるかのように拡散されるケースが相次ぎました。血痕の赤や絨毯の色彩がリアルに再現されたことで、真偽の境界が曖昧になったと言えます。
第三に、海外メディアによるカラー印刷報道との混同です。欧米の一部のセンセーショナルな雑誌では、表紙や特集ページで一部カラー印刷が用いられたことがあり、それらの記憶が「現場のカラー生写真が存在する」という言説を補強することになりました。