スタジオで数々の旅人を見守ってきた徳光和夫も、彼の異彩を放つ滞在ぶりには常に目を見張っていたという。当時のテレビ放送業界において、紀行ドキュメンタリー番組はタレントの華やかなイメージビデオになりがちだった。しかし山本太郎のロケは、そうした業界の既成概念を根本から覆した。
どんなに泥にまみれようとも、カメラの前で取り繕うことをしない。泥臭い生き様を隠さず露出する彼の姿勢は、番組スタッフの間でも一目置かれていた。テレビ放送業界の黄金期に刻まれたその強烈なインパクトは、現在のリアリティ番組の礎を築いたとも言われている。