日本の酒場文化を一変させた引き金は、厚生労働省が推し進めた改正健康増進法の全面施行である。受動喫煙の防止を掲げたこの法律により、飲食店内での喫煙は原則として禁止され、違反者には過料が科される厳格な運用が始まった。
さらに首都圏に衝撃を与えたのが、小池百合子東京都知事のもとで制定された東京都受動喫煙防止条例だ。国の基準よりも一歩踏み込み、従業員を雇っている店舗では原則屋内禁煙とするこの独自ルールは、居酒屋業界に巨大な激震をもたらした。家族連れや非喫煙客の安心を確保する一方で、常連客の離脱に頭を抱える経営者が相次いだのは記憶に新しい。