あれほど盤石に見えた昔の商店街の賑わいと衰退の真相には、日本の社会構造と法制度の劇的な転換が横たわっています。最大の転換点となったのが、1970年代以降の急激なモータリゼーションと、それに伴う大型商業施設進出の影響と経緯です。都市部の外縁部に広大な駐車場を備えたショッピングモールや大型スーパーが次々と誕生し、買い物の主役は「徒歩や自転車で通う近所の商店街」から「家族で週末に車で出かける郊外型店舗」へと一気にシフトしました。
さらに決定打となったのが、1990年代から2000年代にかけて進められた規制緩和です。大規模小売店舗法(大店法)の廃止と大規模小売店舗立地法への移行により、全国の幹線道路沿いにロードサイド店舗が乱立。個人店が中心の商店街は、価格競争力や品揃え、駐車場の利便性において太刀打ちできず、顧客を根こそぎ奪われる結果となりました。これが、昔の商店街が衰退した理由の根底にある構造的敗北でした。