かつての木造建築現場では、構造材だけでなく羽柄材に至るまで大工が墨付けを行い、手作業で鋸(のこぎり)やノミを入れて加工していました。しかし木材プレカット協会の統計データが示す通り、現在の戸建て木造住宅におけるプレカット率は94%以上に達しています。
構造材のプレカット化に続き、近年では羽柄材のCAD/CAM完全自動プレカット加工が標準化されました。筋交いの端部カットや間柱の欠き込み、垂木の斜め加工などが工場出荷段階でミリ単位の精度で施されます。
首都圏で年間40棟を手掛ける工務店の棟梁は、現場の劇的な変化について次のように証言します。
「20年前に比べて現場でのゴミの発生量は体感で7割以上減りました。羽柄材がプレカット化されたことで、現場での丸ノコによる加工騒音や粉塵が激減し、上棟から筋交い・間柱の取り付けまでのスピードは倍以上になっています。ただし、工場加工だからこそ、図面段階での取り合いチェックや含水率管理が甘い木材の見極めが職人の目利きとして問われています」
SNSや住宅系コミュニティの投稿でも、「プレカット精度の向上により、間柱の反りによる壁の波打ちトラブルが減った」という実務者の評価が目立ちます。一方で、ローコスト現場において未乾燥材が搬入され、引き渡し後に壁紙の隙間が生じたというトラブル事例も散見されており、羽柄材の品質管理が住宅の仕上がりを左右する実態が浮き彫りになっています。