日本の韓国時代劇ファンにおいて、『風の国』は「日本語吹き替え版の完成度が極めて高い作品」としても知られています。主役のソン・イルグクの声を担当したのは、洋画吹替やアニメ界屈指の重鎮である磯部勉です。
『朱蒙』でもソン・イルグクの吹替を担当していた磯部勉による低く芯のある声音は、青年の未熟さから次第に冷徹な覇王へと成長していくムヒュルの精神的変化を見事に表現。さらに、ヨン役の小林沙苗が放つ気品と哀愁、トジン役の宮本充が見せる冷酷さと秘めた情熱の対比は、字幕版とはまた異なる重厚なドラマ体験を創出しています。長編時代劇を効率よく、かつ感情移入して鑑賞したい視聴者にとって、声優陣の名演は大きな見どころです。