店頭で同じ容積でありながら価格差が生じる根本的な要因は、冷気を生み出して庫内に行き渡らせる「冷却メカニズムの違い」に集約されます。冷却技術は大きく「直冷式(直接冷却式)」と「ファン式(間冷式)」の2つに二分され、それぞれが全く異なる機構を持っています。
直冷式は、冷凍室の壁面や棚板の内部に冷媒管(冷却器)を直接埋め込み、金属プレートから直に熱を奪う仕組みを採用しています。ファンなどの駆動部を持たず、冷気が自然対流によって下方へ降りていく原理を利用するため、部品点数が極めて少なくて済みます。この製造コストの低さこそが、2万円前後の破格値で販売できる最大の根拠です。
一方、ファン式(間冷式)は、庫外(通常は背面奥)に独立した大型冷却器とファンを搭載し、作られた冷気をダクト経由で強制循環させる構造です。冷却器に付着した霜は内蔵ヒーターによって一定時間ごとに自動で加熱融解されるため、ユーザーが霜を目にすることすらありません。高度な電子制御基板、送風ファン、霜取りヒーターという複雑な構成部品を要するため、本体価格が押し上げられるという明確なコスト構造の差が生じています。