競馬界のスーパースターゆえに、ネット上やファンの間では時に極端な言説が飛び交います。その代表例が「武豊は名前だけで過剰人気するから馬券的には消し」というステレオタイプな批判と、「武豊のオフィシャルサイトで自信ありと書かれたら鉄板」という過度な盲信です。これら両極端な見解には、いずれも構造的な盲点が存在します。
まず「過剰人気」に関する誤解です。確かに未勝利戦や一般平場戦において、武豊騎手が跨るだけで単勝オッズが1倍台後半に吸い寄せられる現象は今も存在します。しかし、重賞スケジュールにおける中長距離戦や、稍重・不良といったタフな馬場コンディションにおける武豊騎手は、むしろオッズ以上の勝率を叩き出すケースが多々あります。馬場状態をいち早く察知し、荒れたインコースを避けて絶妙なウイニングロードを選ぶ「コース取りの妙」は、データ以上の回収をもたらします。
もう一つの盲点は、オフィシャルサイトのスケジュール・日記の受け止め方です。武豊騎手自身の公式メッセージは、馬主や厩舎関係者、生産者への配慮に満ちており、決してネガティブな表現を使いません。「チャンスはあると思います」という言葉一つを取っても、それが「勝機十分」の意味なのか、「今後の成長を期待する段階」なのかは、陣営の追い切り時計や中間のコメントと複合的に照らし合わせる必要があります。