1950年代のデビュー作『二十億光年の孤独』で示された鮮烈な感性は、日本の口語自由詩の歴史における大きな転換点でした。難解なメタファーや気取った気品を排し、誰もが日常で使う言葉を用いて宇宙的なスケールを描き出す手法は、当時の詩壇を驚愕させました。
また、代表作『生きる』に見られるように、日常の些細な動作や感情を短い言葉で連ねるリズムは、読む者の呼吸とシンクロします。「生きているということ/いま生きているということ」というシンプルなフレーズの中に、生きることの全肯定が込められているのです。難解な解釈を必要とせず、ダイレクトに心に届く表現こそが、日本文学史において彼が唯一無二とされる理由でしょう。