2人の出会いは1986年頃に遡ります。知人を交えたごく自然な食事会の席で知り合った当時、舘ひろしは36歳、幸子さんはまだ23歳の大学生から社会人になろうとする時期でした。当時すでに大ヒットドラマ『あぶない刑事』などで国民的スターの地位を確立していた舘ひろしに対し、彼女は決してミーハーな態度を取らず、一人の大人の男性としてフラットに接したと伝えられています。
妻・幸子さんの出自も、当時大きな話題を呼びました。彼女の実家は、文部大臣などを歴任した教育界の重鎮・高石幸三郎氏の血を引く由緒正しい家柄であり、幸子さん自身も名門私立大学を卒業後、大手商社でOLとして勤務していた知性派です。育ちの良さに裏打ちされた高い教養と礼儀作法、そして舘ひろしの破天荒な交友関係に対しても動じない精神的な成熟度を備えていました。
2人は交際開始から約10年という長い歳月をかけて愛を育みました。独身主義を公言していた舘ひろしが46歳でついに結婚を決断した背景には、幸子さんが見せた「執着しない自立心」がありました。1996年の単独結婚記者会見で、舘ひろしが報道陣を前に語った以下の言葉は、今なお芸能史に残る名言として語り継がれています。
「彼女は僕を縛らない。僕が何時に帰ろうが、どこへ行こうが問い詰めない。彼女の前では、無理に『舘ひろし』という虚像を演じる必要がなく、ただの素の自分に戻れるんです」