テレビ中継のカメラが監督席を抜くたび、視聴者の視線を集める「森保メモ」。多くのファンが「森保メモ 何書いてる?」と検索を巡らせていますが、テレビ特番のインタビューや自著、公式会見で森保一監督本人が語った証言によると、その中身は極めて実務的かつ論理的な構造を持っています。
ピッチ上で起きている現象をそのまま殴り書きしているわけではありません。記録されている主な要素は以下の3点に集約されます。
- 時間軸に沿った戦況の推移:「前半15分:相手ボランチの立ち位置変化」「前半30分:自陣右サイドの数的数的不利」など、ピッチの歪みが発生した時間と場所の定点観測。
- ハーフタイムに共有する「3つの修正指示」:選手たちの脳に過剰な負荷をかけないよう、ロッカールームで伝える指示は最大3項目に絞り込まれます。その優先順位の精査をメモ上で行っています。
- セットプレーと選手交代のシミュレーション:交代カードを切るタイミングと、入った選手が担うべき役割のタスク整理。
森保監督は「人間の記憶は都合よく書き換わってしまう。ピッチの熱狂に呑まれると、冷静な事実認識が狂う」と述べており、主観的な感情を排し、客観的事実を脳の外へ外部化(外在化)する手段としてノートを活用しています。