一目見れば、誰もが本作を音楽映画の新基軸と呼ぶ理由を理解できるだろう。しかし、その実態は既存のジャンルの枠組みを遥かに超えている。本作における音響設計は、単なる背景音楽の枠を完全に踏み越えているのだ。
最先端の映像制作技術が投じられた現場では、打楽器が空気を振動させる微妙な音圧までもが特殊なマイクで多重録音された。劇場で体感するその響きは、あたかも観客自身の心臓の鼓動と同期するかのような臨場感をもたらす。音で観客の心理をコントロールする緻密な計算。スクリーンから放たれる圧倒的な音響空間は、劇場で鑑賞してこそ真価を発揮する。