かつてトライバルタトゥーといえば、ヘビーメタルバンドのメンバーや格闘家が腕に巻き付ける、男らしさの象徴のような極太の黒いラインを連想する人が多かった。いわゆる「平成レトロ」の文脈で語られる、記号化されたタトゥーだ。しかし、現在のトレンドはそのイメージを完全に過去のものへと追いやっている。
現在の彫り師たちは、過去のステレオタイプを拒絶する。極太のラインは影を潜め、まるで植物の蔓や人体の神経系が皮膚の表面に浮き上がってきたかのような、流動的でアブストラクトな表現が主流だ。重厚感から軽やかさへ。この美意識の変化が、これまでタトゥーに敷居の高さを感じていた層、特にZ世代後半からα世代の若者たちを惹きつけている。