1920年代後半から1930年代にかけて、都市部を中心に「昭和モダニズム」と呼ばれる華やかな大衆文化が花開いた。銀座の街角を流行の服装で歩く「モボ・モガ(モダンボーイ・モダンガール)」たちの姿は、近代化を加速させる都市の象徴だった。
ジャズが流れるカフェー、カフェラテを出す洋風喫茶、そして毎週末のように賑わう映画館。こうした都市の喧騒は、単なる一過性の流行にとどまらず、庶民のライフスタイルそのものを根本から変えた。しかし、その華やかさの裏側には、急速な都市化に伴う貧富の格差や、農村部との経済的乖離という深刻な二重構造が常に潜んでいた。