朝食に焼き魚を食べる習慣には、パンやシリアル主体の軽食では得られない極めて強力な生化学的メリットが存在します。その筆頭が、体内時計のリセット作用です。近年の時間栄養学の研究において、朝に「タンパク質」と青魚などに豊富な「オメガ3系脂肪酸(EPA・DHA)」を同時に摂取することが、肝臓などの末梢体内時計を同調させる最も強力なスイッチになることが実証されています。
さらに見逃せないのが、食事誘発性熱産生(DIT)の高さです。魚肉に含まれる良質な動物性タンパク質は、消化・吸収される過程で熱を生み出し、起床直後の低下した体温を急速に引き上げます。体温がスムーズに上昇することで基礎代謝が活性化し、午前中から高い集中力とエネルギー消費を維持できる体質へと導きます。
また、魚のタンパク質には必須アミノ酸であるトリプトファンが豊富に含まれています。トリプトファンは日中に脳内で精神を安定させる「セロトニン」へと変換され、夜になると睡眠ホルモン「メラトニン」をつくり出す原料となります。つまり、「朝に焼き魚を食べる行為」が、その日の夜の良質な睡眠の質まで決定づけているのです。