徳島赤十字病院の本質的な存在意義は、平時の一般診療にとどまらず、大規模災害時における医療供給の砦となる点にある。県内唯一無二の基幹的災害拠点病院として指定されている同院は、南海トラフ巨大地震などの発生に備え、自己完結型の医療供給体制を常時維持している。病院建物自体に高度な免震構造が採用されており、大規模停電や断水が発生した場合でも長時間の診療継続が可能だ。
広域災害時には、国や自治体と連携する広域災害医療情報システム(EMIS)を通じて全国の医療機関とデータ通信を行い、被傷者の受入やDMAT(災害派遣医療チーム)の派遣を統合的に統制する。創設者アンリー・デュナンの掲げた人道主義を精神的支柱とし、日本赤十字社の一員として救護班の訓練を日常的に重ねる姿勢は、地域住民に対する安全・安心の強力な担保となっている。