事故が起きた現場は、大自然の静寂が広がる椿荘オートキャンプ場。子どもの明るい歓声が響いていたキャンプ場が一変して緊迫感に包まれたのは、わずか数十メートル離れた沢へ遊びに行った子どもたちを追った直後のことだった。見通しが良いはずの山道で、僅か数分のうちに少女の気配が忽然と消え去った。
小倉美咲さんが姿を消した瞬間を直接目撃した者は存在せず、周囲の捜索は当初から極めて困難を極めた。傾斜の急な山林、鬱蒼と茂る樹木、そして音を立てて流れる沢の水流。豊かな自然環境そのものが、初期捜索における最大の壁として立ちはだかったのである。