「毎月の給料日は嬉しいはずなのに、銀行口座から引き落とされる金額を見るたびに胃が痛くなる」 都内のIT関連企業に勤務する男性(28歳)は、ため息交じりにそう吐露します。私立大学の文系学部に通うため、在学4年間で日本学生支援機構の第二種奨学金を毎月8万円、総額約384万円を借り入れました。現在の月々の返還額は利息を含めて約1万8,000円。完済予定は42歳を迎える年です。 労働者福祉中央協議会などの各種実態調査によると、奨学金の返済額の平均は毎月およそ1万5,000円から2万円前後、返還期間は15年から20年に及びます。手取り初任給が20万円前後の若年層にとって、毎月確実に手元から2万円近くが差し引かれる負担感は想像を絶します。家賃、食費、光熱費、社会保険料を支払った後に残る可処分所得を著しく圧迫し、貯蓄に回す余裕を奪い去っていきます。 さらに深刻なのが、将来的なライフイベントへの影響です。特に近年問題視されているのが、奨学金が借金扱いされることによる住宅ローン審査への悪影響です。 「奨学金は国の制度だから民間のローンには影響しない」というのは完全なデマです。日本学生支援機構は2008年以降、個人信用情報機関(KSCなど)に加盟しています。3か月以上の返還延滞が発生した場合、いわゆる「ブラックリスト」に事故情報として登録されます。 一度信用情報に傷がつくと、クレジットカードの発行やスマートフォンの分割購入はもちろん、住宅ローンの事前審査はほぼ100%否決されます。延滞していない健全な返済中であっても、銀行が住宅ローンの借入可能額を算出する際の「返済比率(年収に対する年間返済額の割合)」に奨学金の年間返還額が合算されるため、希望する融資金額から数百万円規模で減額されるケースが日常茶飯事となっています。
奨学金とは単なる借金か?2026年制度改正と後悔しない賢い選択術
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