なぜ、彼が手掛ける作品はこれほどまでに人々の心を捉えて離さないのか。その裏側には、徹底した人間観察と、現場における愚直なまでのこだわりが存在する。脚本開発の段階では、一言一句のセリフの回しから登場人物の間合いに至るまで、泥臭い議論が夜通し重ねられる。視聴者がどこで息を呑み、どこで涙を流すのか、心理的な計算がどこまでも緻密になされている。
現場におけるキャスティングの鋭さも群を抜いている。実力派俳優のポテンシャルを最大限に引き出す配役はもちろんのこと、一見すると意外な人物を重要局面に抜擢する眼力は、幾多の修羅場を潜り抜けてきた職人ならではの感性だ。妥協を許さない緊張感と、クリエイターへの深いリスペクトが同居する撮影現場からしか、本物の熱量は生まれない。