近代的なガラスウォールと高層ビルに囲まれたこの場所は、1872年に日本で最初の鉄道が開通した「初代・横浜駅」の地でもある。日本の鉄道の父と呼ばれる井上勝と、英国から招かれた建築師長エドモンド・モレルが心血を注いだ鉄路の記憶は、今も駅の随所に刻まれている。
CIAL桜木町 ANNEXの1階に設けられた「旧横ギャラリー」には、かつて日本の黎明期を支えた110形蒸気機関車が威風堂々と展示されている。モレルが伝えた英国の鉄道技術と、井上が貫いた国産化への情熱。その結晶ともいえる蒸気機関車の重厚な鉄の質感は、洗練された現代建築の中で圧倒的な存在感を放つ。
近代化遺産の記憶を都市の意匠として残す試みは、訪れる旅行者にとって深い文化的体験となる。歴史の起点であることを示すモニュメントは、単なるノスタルジーではなく、未来へ続く都市のアイデンティティを雄弁に物語っている。