赤と緑の鮮烈なツートンカラーに、黒い種が散りばめられた三角形のフォルム。ロッテのスイカバーは1986年の登場以来、視覚的なインパクトと確かな味覚設計でアイス市場に確固たる地位を築きました。単なる駄菓子感覚の氷菓にとどまらず、世代を超えて支持される背景には、緻密に計算された「味と食感のコントラスト」が存在します。
スイカの果肉を模した赤い部分は、すっきりとした甘みの中にスイカ果汁を絶妙な比率で配合。対して緑色の皮部分はメロンやリンゴ風味を思わせる爽やかな酸味を効かせ、食べ進めるごとに味のグラデーションが生まれる設計となっています。開発初期のインタビュー記録や社史によると、当時の開発陣が最も苦心したのは「本物のスイカを再現しつつ、アイスとして最後まで飽きずに食べ切れる糖度と酸味のバランス」でした。
さらに見逃せないのが、アイスの中に散りばめられた種チョコ(チョコ種)の存在です。一般的なチョコレートを氷菓に混ぜると、凍結によってカチカチに硬くなり口どけを損なうという技術的障壁がありました。ロッテは原材料にサクサクとしたパフをチョコでコーティングした独自の種チョコを採用。冷菓の中でも小気味よい軽快な食感を維持することに成功しました。この「シャリシャリした氷」と「カリッとしたチョコパフ」の対比が、唯一無二の咀嚼快感を生み出しています。