ネット空間で「伊勢崎市の治安はやばい」と囁かれる最大の要因は、全国平均を大きく上回る外国人住民の比率にあります。群馬県や警察本部の統計資料によると、伊勢崎市の総人口約21万人に対し、在留外国人は1万3,000人を超え、人口比率は約6.5%に達します。これは全国の自治体の中でも屈指の高さです。
外国人住民が多い理由は明確です。伊勢崎市周辺はSUBARU(スバル)をはじめとする大手自動車関連産業や精密機械の工場群が広がる一大工業地帯であり、1990年の入管法改正以降、日系ブラジル人やペルー人をはじめ、ベトナム人、フィリピン人などの技能実習生や特定技能外国人が労働力として集積した歴史的経緯があります。加えて、パキスタン系住民によるハラルフード店や中古車ビジネスが活発化し、北関東随一の多国籍コミュニティが形成されました。
では、客観的な犯罪発生率はどうでしょうか。群馬県警察の公開データによると、伊勢崎警察署管内の刑法犯認知件数はピーク時(平成10年代前半)の3分の1以下にまで減少しています。凶悪犯罪が頻発しているという事実はなく、発生件数の大半は自転車盗や万引きといった軽犯罪、自動車関連の盗難が占めています。
「夜間に外国人が集まっているだけで怖い」「言葉が通じない集団への不安」といった、異文化に対する心理的障壁やネット掲示板の誇張表現が「治安が悪化している」という誤認を増幅させている側面は否定できません。市と警察、地域コミュニティによる合同パトロールや防犯カメラの設置が進んだことで、客観的な犯罪リスクは数字上、他の地方都市と大差ない水準に収まっています。