隣国への過度な反発を理解する上で、嫌韓と社会心理学のアプローチは欠かせません。人間には、自分が所属する集団(自民族や自国)を無条件に肯定的に捉え、外部集団を低く評価する認知バイアスと内集団贔屓(イングループ・バイアス)が生得的に備わっています。
これに拍車をかけるのが「外集団等質性バイアス」です。自国民の不祥事に対しては「あれは一部の特異な個人の問題だ」と解釈する一方で、隣国の人物が問題を起こすと「韓国人は全員こうだ」と集団全体に属性を拡大解釈してしまいます。この二重基準が、ネット空間でのステレオタイプを急速に強化していきます。
さらに、自らの先入観に合致する情報ばかりを無意識に集め、反証となる事実を排除する「確証バイアス」が加わります。「韓国は反日国家である」という前提を持つ読者は、融和的な首脳外交や訪日観光客の温かい交流の報道を無視し、過激なデモや一部の失言報道ばかりを記憶に刻みつけます。認知の歪みによって、自らの中で「敵対的な像」を強固に完成させていく構図が定着しています。