周囲が「うつ病は演技ではないか」と疑念を抱く背景には、共通する行動パターンが存在します。代表的な事例として挙げられるのが、叱責や困難なプロジェクトの割り振り直後に即座に診断書が提出されるケースや、業務時間外の活動性に極端なギャップがあるケースです。
心理学・精神医学の領域では、意図的に病気を装って義務や責任を免除されたり経済的給付を得たりすることを「疾病利得(二次利得)」と呼びます。うつ病の仮病・サボりの心理の根底には、厳しい叱責から逃れたい防衛機制や、過酷な労働環境に対する受動攻撃(消極的な抵抗)が隠れていることが少なくありません。
周囲が覚える違和感は決して根拠のない邪推ばかりではなく、本人の行動の一貫性の欠如から生じる防衛本能的な反応でもあります。ただし、外見上の言動だけで「100%の嘘」と断定するのは極めて危険です。なぜなら、現代の精神医学において定義される特定の病態が、一見すると「わがままな仮病」と全く同じ外見を呈するからです。