テレビでの大成功と並行して、細木数子が築き上げたビジネスの牙城が株式会社オフィス細木である。その中核を担ったのが、毎年秋に出版される『六星占術によるあなたの運命』シリーズだ。ギネス世界記録に認定されるほどの天文学的な発行部数を誇り、書籍の印税や会員制ビジネス、個人鑑定料などから生み出された資産は数百億円規模とも囁かれた。
京都の広大な別邸や東京の一等地に構えた豪邸、さらには数々の美術品や宝飾品。この莫大な遺産の行方は、メディアの格好の標的となった。だが、数子は晩年、須藤家出身のかおりを代表取締役に据え、知的所有権やマネジメント業務を完全に移行させる体制を敷いた。血縁トラブルを未然に防ぎ、自らが築いた「細木ブランド」を永続化させるための、緻密で隙のない終活戦略だったといえる。