ネット上の情報には、痛みを軽減させようとして逆にトラブルを招く危険な誤解が蔓延しています。代表的な誤謬を正しく是正しておく必要があります。
最大の盲点は、「開ける前に氷や保冷剤でキンキンに冷やせば痛くない」という俗説です。耳を極度に冷やすと一時的な知覚麻痺によって貫通時の痛みは鈍麻しますが、低温によって血管が収縮し、皮膚組織が硬化します。その結果、針が通りにくくなって組織へのダメージが増大し、施術後に血流が急激に再開(リバウンド現象)した際、激しい拍動痛と重度の腫れを引き起こす原因となります。
また、「開けた後は消毒液で毎日念入りに殺菌しなければいけない」という古い常識も現代の創傷治癒理論では否定されています。刺激の強い消毒液は、傷を治そうと集まってきた新生細胞まで破壊し、炎症を長期化させて痛みを長引かせます。現在の医療基準における正しいケアは、「入浴時に刺激の少ない泡立てた石鹸で優しく洗い、シャワーの流水で十分に洗い流す」モイストヒーリングの原則が基本です。