創価学会に所属する芸能人を語るうえで避けて通れないのが、文化・芸術・芸能の従事者によって構成される専門部署「創価学会芸術部」の存在です。1969年(昭和44年)に設立された芸術部は、歌手、俳優、声優、お笑い芸人、舞踊家、裏方のスタッフに至るまで、エンターテインメントに関わる信者が集結する特別なセクションとして機能してきました。
この芸術部において、長年にわたり象徴的なポジションを担ってきたのが久本雅美と芸術部の影響力です。自身が率いる劇団の草創期に入会し、その後バラエティ番組の第一線でMCやパネラーとして不動の地位を築いた久本雅美は、芸術部副部長などの要職を歴任してきました。週刊誌の報道各社や舞台関係者の証言によると、彼女は下積みに苦しむ後輩芸人や若手タレントに対して非常に面倒見が良く、食事を振る舞いながら信仰の功徳を語り、生きる指針を与える「頼れる姐御肌」として慕われてきた経緯があります。
現場の制作ディレクターからは次のような声も聞かれます。「久本さんの人柄や現場での気配りは超一流で、学会員であるかどうかに関係なくスタッフ受けが抜群でした。ただ、彼女を慕う後輩たちが芸術部の会合に集まり、そこから自然発生的にキャスティングの相談やバーター起用が持ち上がっていた時期があったのも紛れもない事実です」。信仰を軸にした強固な連帯が、番組制作の現場における「推し」の力学として波及していた側面は否定できません。
一方で、その熱心な勧誘姿勢が芸能界内部で軋轢を生んだケースも取り沙汰されてきました。信仰の押し付けを感じた共演者との不仲説や、番組降板をめぐる週刊誌の憶測報道が定期的に過熱した背景には、芸術部の影響力がそれだけバラエティ番組のキャスティングに深く浸透していたことの裏返しといえます。