米国映画芸術科学アカデミーが授与する視覚効果賞を手にしたニュースは、世界の映画史に刻まれる事件だった。ハリウッドのメガバジェット作品が数百億円の制作費と数千人のスタッフを投じる中、わずか15億円以下の予算と30人規模のミニマムなVFXチームで挑んだ功績は、北米の制作体制そのものに強烈なインパクトを与えた。
授賞式以降、米主要スタジオからのオファーは絶えない。しかし、安易にハリウッドへ拠点を移すのではなく、日本独自の制作手法を守りながら世界に通用する作品を打ち出し続けるスタンスこそが彼の真骨頂だ。海外のトップクリエイターたちが絶賛したのは、単なる低コスト化ではなく、細部に宿る圧倒的な美意識と効率的なパイプラインの構築に他ならない。