裁判で最も激しい応酬が交わされているのが、現場での主導権争いだ。八木原被告とともに逮捕・起訴された川村葉音被告、そして現場にいた年少の共犯者たち。それぞれが果たした役割について、供述には微妙な食い違いが見られる。「誰が暴行をエスカレートさせたのか」「誰が制止できたのか」。責任の押し付け合いとも取れる証言が飛び交う。
事件現場となった公園という密閉されていない空間で、なぜ誰も暴走を止められなかったのか。集団心理特有の同調圧力が働いていたことは否定できない。しかし、被害者を現場に誘い出した発端を作った八木原被告と、暴行を主導したとされる共犯者たちとの間に、どの程度の意思疎通と共謀が成立していたのか。この点こそが、個々の罪責を分ける決定打となる。