「結ぶ」という行為に対する関心の高まりは、近年のメディア空間にも色濃く反映されている。新海誠監督のアニメーション映画『すずめの戸締まり』では、土地に宿る気脈や人々の想いを鎮め、繋ぎ止める儀礼的な所作が物語の核として描かれ、若い世代に「境界を結び直す」感覚を再認識させた。
NHKオンデマンドで配信されている地域の祭礼や聖地信仰を追ったドキュメンタリー番組でも、結界を張る注連縄や神仏の結び文が持つ民俗的価値が繰り返し検証されている。デジタル化が進み人間関係が希薄化する時代だからこそ、目に見えない大いなる存在や土地の記憶と自分を物理的に「結びつける」儀式が、現代人の精神的支柱として切実に求められているのだ。