伊勢谷友介という人物を語る上で欠かせないのが、その異色の経歴だ。東京藝術大学でデザインを学び、モデル、俳優として脚光を浴びる一方で、社会起業家として「リバース・プロジェクト」を立ち上げた実績を持つ。衣食住や環境問題に対する先進的なビジョンを掲げ、クリエイターとしての視点から社会改革を試みてきた。
ビジネスや社会活動の第一線からは退いたものの、アートやデザインに対する鋭い感性は今なお健在だ。作品の現場においても、単に与えられた役を演じるだけでなく、作品全体のトーンや世界観をクリエイティブに捉える姿勢は失われていない。挫折を経た現在の彼が生み出す表現には、かつての先進的な思想と深みを増した人間観察が融合し、これまで以上に多層的な魅力を放っている。