フョードルを語る上で欠かせないのが、武装探偵社のブレーンである太宰治とのライバル関係です。ムルソー刑務所内で交わされた心理戦は、言葉を発することなく暗号化された思考を読み合う、常軌を逸したハイレベルな頭脳戦でした。
フョードルは、天空カジノの総支配人であったシグマをも冷徹に利用しました。「触れた相手から最も知りたい情報を引き出す」シグマの異能に対し、膨大な記憶と精神的負荷をあえて直接流し込むことで無力化。仲間や手駒を一切信用せず、すべてを計算された駒として配置する冷徹さは、太宰とは対照的な「純粋なる悪の知性」です。
太宰が人間の善性や可能性に賭けるのに対し、フョードルは人間の罪悪と脆弱性を徹底的に突く戦略を取ります。互いに相手の手を十先まで読み合いながら繰り広げられた攻防は、異能バトルを超えた心理ミステリーとしての極致を示しています。