では、施術を行うプロの側は患者の目をどう見ているのか。実際の臨床現場で活躍する歯科医師や歯科衛生士に話を聞くと、意外な「本音」が見えてくる。結論から言えば、現場のスタッフの多くは「患者がどちらを選んでも全く気にしていない」というのが実情だ。彼らの集中力は1ミリ以下の精密な口腔内処置に注がれており、患者の眼球の動きを細かく観察する余裕はほとんどない。
ただし、歯科衛生士の一人はこう明かす。「麻酔の効き具合や痛みの度合いを測る際、目をギュッと強く瞑られたり、逆に目を見開いて硬直されると『痛みがあるのかな』と緊張します。自然体でリラックスしてもらえるのが一番です」。つまり、開けるか閉じるかという形式よりも、顔全体の余計な力みが抜けているかどうかが、円滑な治療への鍵を握っているのだ。